交通事故の保険について
■交通事故での治療は0円!!
■交通事故では “慰謝料” がもらえます!!
交通事故にあってしまった時、必ずかかわってくる「保険」について、知っているようで知らないことだらけ。
ここでは自賠責保険や任意保険といった自動車に関わる保険や治療費や慰謝料といったその補償についてにご紹介していきます。
「1、自賠責保険とは」
■自賠責保険について
「自動車損害賠償保障法」という法律で公道を走るすべての車・バイクに加入が義務付けられている保険です。
正式名称を「自動車損害賠償責任保険」といいます。
自動車・バイクの所有者が必ず加入しなければならない保険なので、強制保険とも呼ばれています。
この自賠責保険とは、『被害者の救済』を第一の目的としており、対人賠償に限られています。
対人とは、死傷した相手側の運転者とその同乗者、あるいは歩行者などをいいます。
つまり、被害者のケガや死亡だけに賠償金が支払われ、加害者のケガや自動車の破損には、賠償金が支払われることはありません。
もし、事故を起こした加害者に賠償金を支払う能力がない場合でも被害者は自賠責保険によって、一定の金額までは賠償金を受け取ることができます。
不運にも事故にあった被害者が賠償金をもらえず、泣き寝入りするのを未然に防ぐのが自賠責保険といえます。
*無過失責任
自賠責保険はあくまで「怪我をした人のための保険」なので、他人を事故に巻き込んだ加害者に「たとえ過失がなくても賠償責任が発生するのが一般的」です。
これを“無過失責任”と呼んでいます。
簡単に言うと ごく普通に自動車を運転していて、何の運転ミスもない場合でも相手がケガをした場合は賠償する必要があるということです。
たとえば交差点での右折車Aと直進車Bの事故で、Aがケガを負った場合。
後に過失割合がA:B=6:4となっても 自賠責上ではAが被害者、Bが加害者となります。
過失の大小に関わらず、ケガをした人、死亡した人が被害者となるのです。
■自賠責保険の補償
被害者1名の支払限度額は以下の通りです。
傷害による損害
最高120万円
・診察、入院、投薬、手術、治療にかかる費用
・診断書の発行にかかる費用通院にかかる交通費(タクシー代など)
・交通事故証明書、被害者側の印鑑証明、住民票等
・休業損害 原則として1日5700円。
・慰謝料 1日につき4200円が支払われます。
後遺障害による損害
最高4000万円(※限度額は等級別に定められています。)
死亡による損害
最高3000万円 これに足りない場合は、任意保険からの支払いになります。
「2、任意保険とは」
■任意保険について
任意保険とは、個人で加入するいわゆる「自動車保険」です。
上記の通り、自賠責保険での補償は
被害者の怪我に対し最高120万円
被害者の死亡に対し最高3000万円
被害者が後遺障害になったときに最高4000万円
と上限が定められています。
ですが実際死亡事故の場合など、その損害額は“1億円から2億円”程になり足りない分は“加害者本人の支払い”となります。
また、車両や建物といった物損や、自分自身や同乗者の補償はありませんので自賠責保険だけでは“決して十分とは言えないのです”
このような“自賠責保険での賠償範囲を超えてしえてしまった場合”に様々な補償が受けられるのが「任意保険」となっております。
■任意保険の種類
任意保険は個人で加入する保険ですので、ドライバーそれぞれの条件にあった保険会社や特約を選び加入することができます。
最近では事故や補償のケースも非常に多様化しており色々な保険や特約がありますのでそれらをご紹介いたします。
「対人賠償保険」
人を死亡あるいはけがをさせて“損害賠償責任”が発生したときに保険金が支払われる保険です。
自賠責保険の限度額を超える分の支払いがされます。
この保険のポイントになるのは
「対象者は“第三者の他人”であること」
ですので、以下の条件の人は補償の対象外となってしまいます。
・運転者本人
・建物、車両
・同乗の家族
・加入者の承諾の元、加入者の車を運転していた友人、知人。また、それに同乗していた加入者本人。
また、対人賠償責任保険の損害支払額は被害者一人に対して上限を定めない“無制限方式”と“上限額を定めた方式”のものとがあります。
対人賠償責任保険の一番の目的は「自賠責保険の限度額を超えた分の賠償責任を補う」ことにあります。
上限を超えた分は加害者がすべて負担することになりますのでこのことをよく考えておかなければなりません。
「対物賠償保険」
他人の所有物である物に損害をあたえてしまって損害賠償が発生したときに支払われる保険です。
他人の車や建物、ガードレール、電柱などが対象になってきます。
また、ここでいう損害賠償は、単に事故によって壊してしまった物だけではなく“それによって発生した損害”なども含まれます。
例えば、営業しているお店や工場への飛び込み事故などでは“営業補償”や“休業補償”が必要になってきますので“数百万円~数千万円”といった賠償金が必要になってくることもありえるのです。
自賠責保険にはこういった「物」に対する補償は一切ありませんので、車を所有する以上は必ず加入することが望ましいといえます。
また、対人賠償保険と同様に“自動車保険の加入者とその家族の所有物は補償の対象外”となります。
なので「自宅の車庫入れの際にぶつけて車庫を壊してしまった」などは対象外です。
「人身傷害保険」
自分自身や家族などを対象に補償をつけられる保険です。
特徴は非常に幅広い範囲をカバーできる保険だということです。
対象に設定した人が“自転車や歩行中に事故により負傷を負った場合”も補償を受けられますし、運転中に事故にあってしまった場合なども“過失割合に関係なく”補償を受けられます。
ですので極端な話、自分で運転していて運転操作を誤って電柱にぶつかってしまって怪我をしたときなども治療費や慰謝料といった補償が受けられます。
また、例えば追突事故にあってしまったなど、被害者になった場合などで“相手の方が任意保険に入っていなかった為に十分な治療費の補償が受けられない”といったケースでも身傷害保険によって補填することができます。
本来は加害者から直接請求するものなのですが、加害者に支払い能力がない場合などはどうしようもありません。
現在公道を走っている車の任意保険に入っている割合は70%対30%といわれています。
これはけっこうな確率です。
もし事故にあってしまった時でも自分の身は自分で守る保険ですね。
「搭乗者傷害保険」
契約した自動車に乗っていた人が死傷したときに支払われる保険です。
対人賠償保険と異なり、“運転者本人・家族や友人知人”でも補償の対象です。
また、搭乗者傷害保険は“自動車事故の被害者になって、相手方の保険から治療費や慰謝料が支払われたうえでも、それとは関係なしに保険金を受け取ることができる” というおおきな特徴があります。
また、搭乗者傷害保険は保険金を請求しても“自動車保険の等級が下がることはありません”搭乗者保険の補償は各損保会社や設定した掛け金などにもよりますが一般的な目安は“1人あたり1000万円程度”で具体的な補償内容は以下のようになります。
1、“死亡保険金”
事故が起こった日から180日以内に、その事故が原因で死亡した場合、死亡した人1人につき契約した保険金額が支払われます。
2、“医療保険金”
・けがの治療のために入院したときに1日あたり15000円まで。
通院したときに1日あたり10000円まで が支払われるタイプ
・けがの状態や箇所によって決められた保険金が支払われるタイプ
などがあります。
3、“後遺障害保険金”
事故が起こった日から180日以内に、その事故が原因で後遺障害になった場合、後遺障害の違いによって一定の金額が支払われます。
搭乗者傷害保険と人身傷害保険は非常に似ていますが、“人身傷害保険のほうがより広い範囲での補償が受けられます”
「車両保険」
自分の車が盗難されたり、衝突、接触などの事故によって支払われる“自分自身の車の保険”です。
“自身の過失にかかわらず補償されます”
各損保会社ごとに「他の自動車との衝突、火災、台風、洪水、物の飛来、当て逃げ、電柱やガードレールなどへの単独事故」など全般に補償してくれる特約であったり、「単独事故や当て逃げが補償されない」などの限定条件があったりと保険料に応じたさまざまなパターンがありますので詳しい補償条件などは加入の際に保険会社へ確認したほうがよいでしょう。
「弁護士費用特約」
契約した車両の搭乗者が事故で損害を受けた際、“加害者や相手保険会社との交渉を弁護士に依頼する時の費用”を補償してくれます。
弁護士報酬、和解あるいは調停費用、訴訟費用などが対象です。
最近ではインターネットの普及などから他の事故に関する情報が得やすくなったこともあって以前より補償の範囲が拡がり今まででは示談で済んでいたようなケースでも裁判になる事例が増えています。
そのようなときに一般の方が“相手保険会社や相手側の弁護士と交渉するのは非常に困難”ですし、“裁判になってしまった場合にも裁判費用を気にしなくて良い”のでけておいたほうがいい特約のひとつです。
「対物全損時修理特約」
事故を起こしてしまった場合、通常破損させてしまった相手の車両への補償額は“時価”で計算されます。
時価というのは、車を使用した分、中古車としての価値で計算されてしまった金額ということですね。
その“時価”よりも“修理費”の方が高くなってしまった場合「全損」という扱いになり、安いほうの“時価”が限度額になってしまうのです。
ですので、例えば時価が50万円の古い車を破損させてしまったとして、修理費が計算すると80万円になった場合
このときの損害補償額は50万円となります。
ですがもちろんこれでは新しい車は買えないですし、古い車ほど思い入れがあって修理してでも乗りたいという方もいます。
その時にこの「対物全損時修理特約」をつけていれば損保会社にもよりますがだいたい「時価+50万円」くらいまでの修理に対応しています。
支払いや示談交渉の際にトラブルを避けスムーズに行うことができる保険になります。
「車両積載動産特約」
事故時に車内の物が壊れたり、車両が盗難にあってしまった場合の車中に入れてあった物の補償が受けられます。
頻繁に車に高価なもの(ゴルフバッグなど)を積む人はつけている方も多い特約ですね。
ここで紹介した保険や特約の他にも各保険会社ごとに様々な特約や補償があります。
また、同じような保険でも保険会社によって補償内容が異なりますので加入を検討される際は各保険会社へご確認ください。
「3、任意保険の通販型自動車保険と代理店契約」
通販型自動車保険と代理店契約との違いや注意するべき点をよく理解しておく必要があります。
■通販型自動車保険
最近は「通販型自動車保険」や「ダイレクト自動車保険」と呼ばれる“インターネットから加入できる自動車保険”が増えてきています。
テレビでもコマーシャルをよく見かけますよね?
近年、通販型自動車保険が増えてきている理由としては一番は「値段が安いから」ということです。
20代から30代の若い年齢層を中心にインターネットで自分で調べて加入しているようです。
ですが通販型自動車保険の場合、自分できちんと保険を理解していなければなりません。
上記のように選択できる項目が増えたり、新しい特約ができたりするのでそういったことは念頭においておきましょう。
■代理店契約
代理店契約で自動車保険に加入する最大のメリットとしては更新のたびに保険の見直しをしてくれる代理店で契約をすると時の経過による“家族構成の変化”や“加入者の生活環境の変化”など細かいところを確認してくれます。
車をどれくらい使うかを想定して通勤で使うのか、週末しか乗らないのか、夫婦で運転するのか、夫しか乗らないのか、他人に貸すこともあるのか、車で運ぶものが人なのか荷物なのか…
そういったことを代理店に相談して必要な特約のみをきちんと取捨選択することで保険料を抑えることもできるかもしれません。
また、子供が免許を取った、実家を別居をはじめたが帰省した時は乗ることもある。
などといった限定条件の変更は見落としがちです。
そういった細かい変化に関しては通販型自動車保険ですと自分で全部把握していないといけませんが、“代理店契約ですと変更漏れをすることも圧倒的に少なくなる”という利点があります。